うつ病がこれほど発症率が高く、誰でもなりうる病気なのに、うつ病は本人にも周囲の人にも気づかれにくい病気です。本人は憂うつ感にとらわれていても、初期には家族や友人、同僚に心配をかけたくないと、無理に笑顔をつくつたりします。
うつ病と言えば、見るからに元気がなくいかにも憂うつな表情で、口数も少なく、うなだれていると思われがちですが、それはかなり重症の場合のことです。人によっては、こうした症状が出ないこともあります。また、朝から午前中に症状がひどく、午後になると少し元気になる「日内変動」があるのも、初期に気づきにくい一因でしょう。
うつ病の多くを占める「軽症うつ病」においては、むしろ穏やかに、ごく普通の表情で、ときには笑顔を交えながらきちんと話をすることができる人が少なくありません。そのため、家族・友人や教師、あるいは医師までも、本人がそれほど苦しんでいるとは気がつかないことがあります。
このようになったまま、うつ病だと思わず放置していると症状が悪化して、自殺要因の一つになってしまうかもしれません。
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